メソアメリカの先古典期前期


●先古典期前期とは?
 紀元前2000年ごろから紀元前後にかけての約2000年間を先古典期(形成期)と呼ばれる。この時期は、メソアメリカでは文明が徐々に形成されていった時期である。先古典期は、B.C.2000-B.C.1000年頃までを形成期前期、B.C.1000-B.C.400頃までを先古典期中期、 B.C.400-A.D.100頃までを先古典期後期に分けられる。先古典期前期には、定住農耕村落が徐々に形成され、社会の階層化も進んでいった。オルメカ文明が出現するのは、先古典期前期の末頃である。また、土器も定住村落の形成とともに社会に受け入れられるようになった(青山・猪俣 1997)。
図2-1-1



●先古典期前期の文化
 先古典期前期の遺跡は、テワカン盆地での岩陰遺跡やメキシコ、チアパス州の太平洋岸、グァテマラの太平洋岸等で発見されている。
テワカン盆地:プロン岩陰遺跡(図2-1-1、A)
チアパス州太平洋岸:アルタミラ遺跡、パソ・デ・ラ・アマーダ遺跡(図2-2-2、D)
グアテマラ太平洋岸:ラ・ヴィクロリア遺跡、サリーナス・デ・ブランカ遺跡、等
タバスコ、ベラクルス州:ラ・ベンタ遺跡(図2-1-1、 C)
図2-1-2



図2-1-3